ビスクドール制作記~上級編

新しくお人形を作るので、制作過程をアップするよ。 ビスクドールの作り方に興味がある人は要注目です。 いつ完成するか見ものだネ。

寄せ型を仕上げる・・・制作記八十四

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昨日は作図している時間がなく、

説明が中途半端でしたが、

↑こういうことを言いたかったんです。

 

画像右側のように、型を組むことで

寄せ型が固定されるように作るのです。

こうしておけば、ずれたり

抜けたりするようなことはありません。

 

対して左側は、主型をとった後に

玉受け部分を型取りする方法です。

 

これでも鋳込めないことはありませんが、

手で扱っているうちに、別型の部分だけ

すっぽ抜ける危惧があります。

 

それだけに外しやすいとも言えますが、

私はやりません。

 

 

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昨日取った寄せ型ですが、

このままでは使えないので

原型にあてがって様子を見ながら、

加工の基準線を引きます。

 

その後抜ける形に削り出します。

割線部分は角を立てるように

削っておくと、分割する位置が

分かりやすいです。

 

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削り終ったら、表面が平滑になるように

磨いておきます。

耐水ペーパーを使って水研ぎすると良いでしょう。

番手は800くらいで十分だと思います。

 

 

つづく。

鋳型づくり、玉受けを作る・・・制作記八十三

 

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赤鉛筆で書いた割線に従って、

玉受けの周囲に粘土で堤防を作ります。

後は石膏を溶いて流し込み、

硬化を待ちます。

 

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肩関節のアンダーカットを避けるため、

この部分に小さな別型を作り、

主型(おもがた)で抱き込むようにするのです。

こういう型を寄せ型と言います。

 

石膏が固まったらひっくり返して、

反対側も同様に行います。

 

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玉受け部分の別型は最初に作っておくのが

ポイントです。

 

どうも人様のビスクドールの作り方を見ていると、

主型の前後を先に型取りしてから、

玉受けの別型を後から作るようです。

 

そのほうが手間はかからないですが、

位置がずれたり、場合によっては

すっぽ抜けてしまい、扱いにくいです。

 

また泥漿を鋳込み、生地を型から取り出す際、

別型は、なるべく小さくして

軽くしておいた方が、やりやすいのです。

 

 

つづく。

鋳型作りを開始しまーす。ああ、気が重い。・・・制作記八十二

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重い腰を上げて、いよいよ恐怖の鋳型作りです。

毎日五十分づつでも、少しづつ進めよう。

 

ん。この新聞紙、産経らしく両陛下の写真が

カラーで大きく載っている・・・。

これでは使えないな。

 

代わりに朝日でも使っておきますか。

こういう敷き紙みたいな用途なら

朝日新聞も役に立ちますね。

 

 ・・・それはともかく、

鋳型を作るときは大きい部分から

型取りしていきます。

乾燥に時間がかかる物から、先にやるということです。

 

原則的には、

胸か腰 → 頭 → 腿 → 脛・・・ 

といった順序でおこなうと良いでしょう。

今回は胸部から行います。

 

肩の関節部分がアンダーカットになるので、

先に肩関節の受けを型取るのですが、

その前に割線を書いておきます。

 

粘土原形の時は柔らかいので、

適当にやっても型は外せたのですが、

今回はいい加減にやると、外れなくなります。

スコヤを使って、丁寧に線を取っていきましょう。

 

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なんだか傾けすぎているように見えるかもしれませんが

これは首の鋳込み口を基準にしているためです。

鋳込み穴の中心に、割線が来るようにしています。

・・・意味が伝わるでしょうか。

 

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分かりやすいように示すと、

こんな感じで線を決めます。

 

私はこのとき赤鉛筆を使って書いています。

普通の鉛筆だと、手で触っているうちに

消えやすいからです。

 

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割線を書きつつ、玉受け部分の

分割線を決めます。

うーん・・・画像では良く見えないな。

まあ明日以降の解説を読めば、

要領はお分かり頂けるでしょう。

 

 

あまり飛ばしすぎると上げるネタが

なくなるので、今日はこの辺で。

やっと終わった・・・。制作記八十一

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しかしエアブラシの掃除が、超面倒くさいです。

持ってない人は、わざわざこんなもの

買う必要ありません。缶サフで十分です。 

 

それにしても、やっと石膏原形の研ぎ作業がおわった・・・。

というより飽きてきたので、この辺で終わりにしておきます。

 

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気付いたら、もう五月です。

四月中に鋳型作りに入る予定でしたが、

最近色々あって全然進んでないです。

でも頑張って明日からやります。

 

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少し話がそれるのですが、

研削(けんさく)と研磨は違うということを

申し上げておきます。

 

研削というのは、荒目の砥石やヤスリで加工物を削り、

形を作ることです。

研磨は粒度の細かい物を使って磨くことで、

研削によって出来た傷を除去することです。

 

私が今まで必死に石膏原形を研いできたのは、

研削の作業だと言えます。

細かいヤスリでツルツルに磨くようなことは、

磁器の場合必要が無いため特にやっておりません。

 

研磨と研削の違いを踏まえたうえで、

少し話しておきたいことがあります。

 

研ぎ(研削)仕事をしながら、

これをもっと楽に行う方法はないか

ずっと考えていました。

 

石膏は研ぐには少し硬いです。

それに対し、石粉粘土であれば、柔らかいため

研削の作業はずっと早く終わります。

しかも原型を、一度石膏に置き換える手間もかかりません。 

 

それにも関わらす、私が石粉粘土を使わないのは、

成形性が悪く、造形する手間が石膏原形を研ぐより

遥かに時間のロスが多いと判断するからです。

 

具体的には、粘土同士の馴染みが悪く、付けづらい。

そして乾燥して硬くなるため、取りずらい。

 大きくざっくり切り取ることが出来ないため

初期段階で手間がかかるということです。

 

また、塊で作ると(粘土の層が厚くなると)

表面だけ乾燥が進み、中は乾かない

という事態が発生し、よろしくありません。

 

そのため石粉粘土で作る一般的な方法は、

平面上で設計図を作成し、それをもとに発泡スチロール等で

中子を作り、伸ばした粘土で包むという方法です。

 

しかしこの方法の問題点は、お人形は立体作品であるにも関わらず、

平面上で設計していることです。

設計図の段階では良く描けたと思っても、

立体にしてみたら「なんか変…」ということになります。

 

平面と立体は別物なので、印象が異なるのは当たり前です。

実際自然な立ち姿が作れている作家さんは、

ほとんどいません。

 

そういう理由により、私は最初から形を決めずに

現物を作りながら、形を決めていく手法を取っている訳です。

粘土原形の精度と、作る速度を求めた代償に

型取り作業と、研ぎ作業の手間が発生しています。

 

そこで、それぞれのいい所どりをした

作り方が出来ないかと、考え続けた結果、

 

・・・思いつきました!!

 

上手くいくかやってみないと分かりませんが、

次に作るときは、実験的にその技法を試みようと思います。

 

今作っているのが仕上がったら

このブログはやめようと思っていたのですが、

そういうわけにはいかないようです。

研ぎ方の補足・・・制作記八十

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思い出した。

なんか時間のロスが多いなと

思いながらやっていたのですが、

適正なサフの盛り方をしていませんでした。

 

効率のいいやり方は次の通りです。

上の画像の矢印で示したあたりに盛ってみます。

まあ、頭頂付近は髪の毛で隠れるので、

本当はこのくらいの仕上がりでも良いのですが・・・。

 

 

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先ずは一旦筆で置くように盛ってみます。

この後乾いたら、すぐに研いでしまっていたのですが、

それだと時間のロスが多いです。

 

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乾いた後ヒケが起こっているので・・・

 

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そこへさらにサフを置き、筆で撫でながら

形を整えます。

 

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概念的にはこうです。赤の破線が

出来上がりの形だとします。

それより少し高いくらいまでサフを盛っておきます。

 

あまり盛りすぎても後で研ぐのが大変なので、

ほどほどにしておきます。

 

 

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乾いてもう一度塗るときに、先に盛った部分が

出っ張りすぎているようであれば、筆で撫でてならし、

足りないようであれば、さらに高く盛ります。

 

いずれにせよ筆を使って、撫でることで

成形する感じです。

 

 

 

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その後研いで仕上げます。

研いだ後に窪みが残っているようであれば

再度同じことを繰り返します。

 

全体にサフを吹くのは、研ぐうちに、

地の石膏の色と、サフの被膜の色が斑になって、

形が見えなくなった時です。

 

特に初期段階はすぐにそうなるので、

その都度リセットしましょう。

 

 

 

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・・・こういうポツポツっとした

凹みができていれば、仕事が適正です。

この窪みをヤスリで消そうとすると、

どんどん形が崩れていきます。

 

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凹んだ部分は、削るのではなく

埋めるというのが、適正な造形です。

 

・・・画像でも造形の生々しさが

伝わるでしょうか。

単調な作業・・・制作記七十九

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更新が停滞しておりますが、毎日

少しづつ進んではいるんです。

・・・少しづつ。

 

だいぶ仕上がってきているので

このくらいでもいいと言えばいいのですが、

もう少し頑張ります。

 

 

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サフを吹くのも四回目です。

大きいパーツは、今までと同様に

屋外でスプレーしております。

 

 

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しかし小さいのは、ほぼ仕上っているので、

このあたりからエアブラシを使って、

狙った箇所にだけ吹いております。

 

仕上ってくると全体を研ぐのではなく、

パテを盛った箇所のみを部分的に

研ぐ感じになってくるので、研いだところにだけ

吹ける方が具合が良いということです。

 

エアブラシを持ってない方は、

缶のサフを使えばいいと思います。

 

要は、研ぐ→サフを吹く→凹部を埋める

ふたたび研ぐ→サフを吹く→凹部を埋める・・・

この繰り返しです。

自分が満足するまでやりましょう。

 

・・・研ぎ仕事がいつ終わるかは解らないので、

また暫く更新が停滞気味になると思われます。

ご了承ください。

 

今月中には鋳型作りに入るつもりなので、

五月なってからまた覗いて頂ければ、

鋳型の解説をしていると思われます。

 

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しかしブログをやるのも予想以上に大変です。

当初の予定では、人形ブログと陶芸ブログを

同時にやるつもりだったのですが、

自分には無理だということが分かりました。

 

ブログとかSNSは、どうも時間ばかり取られるので、

プロの美術家たる者は、特に目的がなければ、

制作や営業に時間を費やした方が良いと思います。

 

しかし集客にブログやSNSを、

有効に使えている人も中にはいるので

一概には言えないのですが、

そういう人はどうも少ない気がする・・・。

 

私は勘違いで、創作人形業界の技術レベルを

自分が向上させるのだという、大いなる

パラノイアに取り憑かれているため、

技法を公開するために、無理して記事を書いております。

 

記事内容をまとめて、人形制作サイトを作ったら、

このブログは続ける意味がないので、

さっさと削除して、やめてしまおう。

細かい気泡を埋める・・・制作記七十八

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・・・いかん。

前回の更新からだいぶ時間が空いてしまった。

やることが単調なため、作業があまり進まないし

筆も乗らないです・・・。

 

まあ、だんだん形が整ってきて、研ぐのも楽になっております。

もう少しの辛抱です。

 

 上の画像は三回目のサフ吹きが終わったところです。

形がダレることもなく、だんだん形が整ってきました。

画像ではよく分からないかな?

 

 

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サフ吹き後、また窪んだ箇所に

筆を使って瓶詰のサフを盛っていきます。

乾燥でひける量も考慮して

多めに盛ると良いでしょう。

 

 

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こないだは盛り具合が少なかったので

今度は適正な量を盛っています。

 

 

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原型表面の細かい気泡は

今まで無視してきましたが、

それは研いでいるうちに、内部から

新しい気泡が出てくるかも知れないからです。

 

 ただこれくらいの段階になると、

あまり石膏の層までは削らないため、

そろそろ埋めておいた方が良いでしょう。

  

何で埋めるかというと粘土で埋めます。

原型で使った油粘土です。

 

ヘラで摺り込むように穴を埋めていきます。

穴の周囲に残った余分な粘土は、

キッチンペーパ―などで拭き取っておきましょう。

 

 

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気泡を埋めたら、再び研ぎます。

すると・・・気泡が消えるんです。

 

粘土みたいな柔らかい物で埋めて大丈夫なの?

と思われるかも知れませんが、意外と問題ありません。

 

 

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木部用パテで埋めるとどうだろうと思い、

胸部だけ実験的にやってみましたが、

特に利点は無いです。

 

むしろ粘土に比べて硬いため、気泡に摺り込み

にくく、時間と共に硬化が進むので、

作業性が悪いです。

 

しかも埋めた気泡の周辺に残る

パテの処理が面倒です。

いいことはありません。

粘土で問題ないです。

 

パテを使うのは大きな欠損部分だけにしましょう。