ビスクドール制作記~上級編

新しくお人形を作るので、制作過程をアップするよ。 ビスクドールの作り方に興味がある人は要注目です。 いつ完成するか見ものだネ。

石膏原形を作る・其の三 ・・・ 制作記六十八

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石膏原形の続きです。

 

型に石膏を流し込んでいくのですが、

そのための準備をします。

 

先ずは石膏型がずれないように

針金で固定しておきます。

二三箇所も縛れば良いでしょう。

 

針金でなく、自転車のチューブとかを

利用しても良いです。

 

 

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型をしっかり縛ったら、

水にザブッと浸けます。

 

理由は石乾燥した型に

石膏を流し込むと、

相手に水分が奪われて

硬化後に脆くなるからです。

 

そのため限界まで吸水させておきます。

 

 

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玉を嵌めこみます。

惰球の場合は、前に付けておいた

合印に合わせてくっ付けます。

 

こうすれば隙間なくピタッと

嵌ります。

 

 

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玉が落っこちないように、

石膏で固定します。

 

粘土で固定しても良いのですが、

型を触っているうちに

取れてしまう危惧があるので

私は石膏を使っています。

 

 

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型の開口部が狭いので、

石膏を流すのに漏斗を使います。

事前に用意しておきましょう。

 

 

私は浸水から型を壊すところまで

一気にやっておりますが、

長くなるので記事にするのは

また明日。

石膏原形を作る・其の二 ・・・ 制作記六十七

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型の中に石膏を流し込むため、

一か所に鋳込み口を開けます。

 

なるべく小さい方が理想的ですが、

ちいさすぎるとやりづらいので、

この大きさの場合、最低でも直径は

十五ミリくらいあった方が良いです。

 

また、鋳込み口が長いと詰まりやすいので、

その部分だけ型の厚みを、

薄ーく削っておきます、

 

まあ具体的なやり方は

どうでもよいのですが、

念のため私のやり方を示しておきます。

 

 

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先ずドリルで下穴を開けます。

所定の深さまで掘れていればよいので、

貫通させなくても良いです。

 

 

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次にノコで荒断ちします。

石膏を切る場合、完全に乾いていると

切りやすいです。

 

 

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穴を必要な大きさまで広げます。

私は安い切出を使っています。

石膏に水分を与えると、

柔らかくなるので、やりやすいです。

 

 

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最後に穴ヤスリで厚みを整えます。

このときも、湿らせながらやると楽ちんです。

終わったら型の内側に

カリ石鹸を施しておきます。

 

穴ヤスリで削った部分にも、

石鹸で防水処理を

しておくと良いでしょう。

 

これを全ての部品に行います。

 

 

*-*-*-*-*-*-*

 

 

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先週の続きのデッサンです。

合計四時間です。

 

繰り返しになりますが、

デッサンを実践する目的は、

美術家としての目を作るためです。

 

デッサン力とは、物体の形状を捉える能力です。

目がしっかり出来ていれば、

形の狂いにすぐ気付き、

的確に修正することが出来ます。

 

お人形の顔や形が狂っている方は、

デッサン力が不足しているのです。

 

目が出来ていないと、

形の狂いに気付きません。

認識出来ていない物は

修正しようがないのです。

 

時間の許す限り、訓練に勤しみましょう。

石膏原形を作る・其の一 ・・・ 制作記六十六

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さて、今日から石膏原型の制作です。

 

油土のままではペーパーがけが

出来ませんので、何らかの硬い素材に

置きかえる必要があります。

 

今まで型取りした、石膏型が

乾いているので、内側に

サフを吹いておきます。

色づく程度に軽く吹けば良いです。

 

私が使ったのは、手元にあった

Mrサーフェイサーの1200です。

あまり荒いものでない方が良いでしょう。

色はグレーです。白サフはダメです。

 

 

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吹いたサフがだいたい乾いたら、

スポンジやすりを使って、

内側を研いでいきます。

 

これをやっておくだけで、

次の作業が、非常に楽になります。

 

私としては、ここで型の内側を

研ぐことを考えると、型取り作業も

あまり高い手間だとは思いません。

それぐらい楽になります。

 

ヤスリの番手は荒めのほうが良いです。

ここでは3Mの中目(#120~180らしい)

を使っています。

 

研ぎにくい所、つまり凹んだ

箇所から研いでいくと良いでしょう。

 

 

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このときあまり強い力で、

ゴシゴシしてはいけません。

 

軽く撫でるように、あるいは

ヤスリの粒子で引っ掻くように。

形がダレないよう、やするのは

最低限に留めます。

 

グレーサフを吹いたのは、

研ぎすぎを防ぐため、

色で判断可能にするためです。

白くなるまで研いでは、やりすぎです。

 

画像からも、必要最小限に

軽い力で研いでいるのが

分かると思います。

 

灰色と白の斑模様になるよう

軽く研ぎましょう。

 

 

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端の部分など、ヤスリが当てづらい

箇所は、小さいスクレーパーのような道具で

丁寧に引っ掻いておきます。

 

 

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とにかく僅かな突起でも、

丁寧にならしておくことが重要です。

ここで見逃しても、後で一つ一つ、

窪みを埋めることになります。

 

 

 

ビスクドール制作記 壱之巻 其の六十五

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よーし、無事に頭部の型取り終了。

 

・・・いや、見ての通り

無事じゃないのですが・・・。

まあ、これは後で修正出来るので

特に問題ないです。

 

これで最後の型取りが終わったので、

明日から次の段階に移れます。

 

単調な作業が続いていたので、

やっと変化が出来ると思いきや、

次はもっと退屈な作業になります。

 

また間が持たなくなっちゃうねー。

何の話をしようかなー。

ビスクドール制作記 壱之巻 其の六十四

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お手手の作り方の続きを

解説しまーす。

 

十三、最初に床の水平を確認します。

型取り後、天地の面が平行でないと、

後で型を押さえるときに

不具合が生じるからです。

 

二枚の板の間に粘土をかませて、

水平になるよう調節しております。

 

 

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 十四、シリコーンを流し込みます。

一人で撮影しているため、

ピントが合ってませんが・・・。

 

気泡が入りにくいように

高い位置から、一本の糸になるように

垂らしています。

 

 

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十五、シリコーンが硬化したら、

ひっくり返して、原型を埋めていた

粘土を除去します。

 

指の間の粘土も丁寧に取りますが、

難しいようなら無理に取らなくても

良いです。

 

粘土が取れたら、全体に

離型材を塗り、反対面も

型取りします。

 

 

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型取り後はこんな感じです。

画像では玉に合印を入れておりますが、

無くて良いでしょう。

 

 

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十六、型を割り、全ての指の先に、

空気抜きの溝を掘っておきます。

画像では少し分かりずらいですが、

両面に行います。

 

 

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十七、型の内側に離型材を塗り、

押さえ具で押さえます。

玉にも離型材を塗り、型に嵌めこみます。

 

今回の場合鋳込み口が小さいので、

念のため粘土で堤防を作っていますが、

上手く狙ったところに注型出来れば、

やらなくても良いです。

 

 

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十八、後はレジンを注入するだけです。

ちなみにわたしが使っているのは、

ハイキャストミニという、

シレンフリーの品です。

 

 

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無事にレジン原型が

出来ました。

 

この後、他の部品と同様に

表面処理を行います。

 

 

・・・たぶん、これを読んでいる人の

大勢が、「こんなことしなくても、手だけ

ラドールで作ればいいんじゃないの?」

と思っているでしょう。

 

別に石粉粘土が好きな人は、それでも良いです。

 

私が石粉粘土を使わないのは、

乾燥待ちによる時間のロスや、

粘土を付けるとき馴染みづらいといった、

成形性の悪さによります。

 

それとラドールの粒子は、

細かいようで、結構荒いです。

細部を作るときに、ケバケバに邪魔されるのも、

ラドールを使いたくない理由の一つです。

 

 

ただ、今回おこなった、型取りの手間と

シリコーンのコストを考えた場合、

私自身、どちらを我慢するか、

判断に迷う所ではあります。

 

 

余談ですが、レジンで球体関節人形を作るのも

ありかも知れません。

 

レジンだと個人で用意できる設備では、

中空にするには難しいため、

制作不可能だと思っていました。

 

しかし、だいぶ前になりますが、

どなたかレジンで球体関節人形を作る

技法書を出しておりました。

 

どうやって中空にしているのか、

興味深かったので、立ち読みしたところ、

長いドリル刃を使って、穴開けしておりました。

 

その潔さというか、強引な手法に

ある意味感心したのですが、

こういうやり方もありだと思います。

 

ただ、お人形が大きくなるほど、

穴開けが難しくなるのと、

コストがかかりすぎます。

 

趣味でやる分にはいいかもしれませんが、

作品を販売することを考えると、

素材が素材なので、量産品との

差別化を図るのは難しいだろうと思います。

ビスクドール制作記 壱之巻 其の六十三

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シリコーンの硬化を待つので、

お手手は一時中断です。

その間、頭部の型を取ってます。

 

*-*-*-*-*-*-*

 

私は何をやるにも五十分と

時間を決め、その間集中して

仕事を行うようにしております。

 

五十分経ったら、途中でもパッとやめて

他のことをやります。

 

上の画像は五十分にセットした

タイマーが鳴ったので、

そこで中断して撮ったものです。

その後この文章を書いております。

 

理由はというと、ある説によれば、

人間が最も集中出来るのは

五十分らしいです。

 

全ての人にそれが当てはまるのかどうかは

よく分かりませんが、五十分という時間は、

私にとっては、ちょうどいいです。

身心ともにストレスが軽くなります。

 

α波という脳波があります。

リラックスしている時だけでなく

何かに集中しているときにも

出る脳波です。

 

何かに集中すると、

脳のある部分を集中して働かせるために、

他の部分の活動を抑え込みます。

そのため使わない部分から、α波が出るようです。

 

つまり、別の事をやることで、

脳の今まで使っていた部分が

休息状態になるということです。

 

また、一つの作業を続けていると、同じ体勢を

とることが多く、身体的負担も多くなります。

その点からも、同じ作業を連続しない方が

ストレスがありません。

 

――ろくろを回す、施釉や可飾、釉薬の試験、

乾燥管理、原料の調整、掃除や片づけ、

道具を作る、執筆作業、絵を描く、

PCデータの整理、本を読む・・・。

 

何でも基本的に五十分と決めたら、

五十分でやったほうが、

ダラダラやるよりも、

一分あたりの密度が高くなります。

 

同じ作業を連続するときも、

五十分経ったら、十分休憩を

入れるようにしています。

 

十分で瞑想したり、呼吸法を練習したり

太陽光線を浴びたり、外気を吸ったり、

仮眠を取ったり、水を飲んだりして、

休んだ方が、意外と能率が良いです。

 

もちろん例外もあります。

窯焚きや石膏取りのような

途中でやめられない作業です。

 

自由業は会社員と違い、

監督してくれる上司がいません。

自分自身をコントロールする能力が

要求されます。

ビスクドール制作記 壱之巻 其の六十二

お手手の続き。

 

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七、他の部品と同様、玉受けを一ミリくらい

抉り、関節の玉を少し大きめの物に

置きかえます。

 

このとき電ノコの刃で作った道具で

引っ掻き傷をつけながら削ると、

削るべき場所が分かりやすいです。

 

 

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八、削ったら玉受けに筆でベンジンを塗り、

玉をピタッとくっ付けます。

これで密着するので、

重力くらいでは落っこちません。

 

 

 

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九、次に薄く伸ばした粘土を付けていきます。

かたまり状の粘土を付けると、

原型の形に支障が出るからです。

手は特に丁寧に扱わないと危ないです。

 

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何層か重ねて・・・

 

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ぐらぐらしないように、

安定よく置きます。

 

 

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十、粘土で埋めていきます。

指の間も丁寧に粘土を埋めます。

 

シリコンで型どりするので、

厳密にアンダーカット(抜けない勾配)を

さける必要はありません。

それゆえ割り線は適当に決めています。

 

 

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十一、全体が埋まったら、四方の

余計な粘土を取り、壁を作ります。

 

私は型取りブロックがあるので、

それを使っておりますが、

木の板とか、ある物を使えば良いです。

 

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中指の先から注型するので、

鋳込み口を中指に作っておきます。

 

 

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十二、ズレ防止の窪みを付けて、

全体に離型材を塗ります。

これで型取り準備完了です。

 

私は左右の手をそれぞれ

別に行っていますが、

この場合は、左右同時に

一つの型で取っても良いです。

 

 

続く。