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ビスクドール制作記~上級編

新しくお人形を作るので、制作過程をアップするよ。 ビスクドールの作り方に興味がある人は要注目です。 いつ完成するか見ものだネ。

カリ石鹸を塗るよ:制作記九十四

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えーっと・・・どこまで話したっけ。

次は・・・カリ石鹸か。

 

確か前々回の記事で石膏取りの際、

水を吸収する素材に対しては、

離型材にカリ石鹸を使うと書きました。

特に石膏にはカリ石鹸が有効です。

 

しかし、ただ「カリ石鹸を塗ります」というだけでは

解説としては不十分です。

ただ塗っただけではちゃんと離型出来ない

可能性が高いからです。

 

そこで今回の記事では、

石膏取りにおけるカリ石鹸の使い方に

焦点を当てて解説致しましょう。

 

≪実践法≫

一、型の分割面に、水に溶いたカリ石鹸を

刷毛でぬります。

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泡立てながら石膏になじませるように、

たっぷり塗ると良いでしょう。

原型や粘土には塗る必要ありません。

 

 

二、全体にしっかり塗れたら、一度スポンジなどで

塗ったせっけん液をきれいに拭き取ります。

(重要)

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石鹸成分が残っていると、型離れが悪くなります。

 

三、拭きとった後、乾いた布で表面を磨く。

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四、一~三の工程を繰り返し行う。

繰り返す回数は、表面がツルツルなら

二回もやれば大丈夫ですが、荒れている場合は

四回くらいやった方が良いです。

 

 

 

今回の場合は、三回くらい繰り返せば

よいでしょう。

とにかく布で磨いたあと、光沢が出るまで

やれば大丈夫です。

 

一番上の画像のように水滴が、玉になって

はじくようであれば、成功です。

確実に外れるでしょう。

 

それと、何で石鹸を塗ってから、

また拭きとっちゃうの?

と思う人がいるかも知れません。

 

石膏にカリ石鹸を塗る目的は、

表面に離型材の層を作るというより、

石膏の性質自体を水をはじくように

変えてしまうと言った方が良さそうです。

 

私も科学的なことは知りませんが、

石膏の主成分である硫酸カルシウムと

石鹸が手をつなぐことで、手の反対側が

水をはじくようになる、というのが

私の勝手なイメージです。

 

詳細な理屈は知りませんが、とにかく

石膏と手をつなぎ損ねて余った石鹸が

表面に残っていると、型離れが悪くなるんです。

 

*-*-*-*-*-*-*

 

ついでに初心者さんのために

石鹸の溶き方も説明しておきましょう。

 

このあいだカリ石鹸を切らした所なので、

ちょうど良いです。

とは言っても大した話では無いのですが。

 

 

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先ずカリ石鹸を用意します。

画材屋などで入手できます。

・・・うわー古くなって劣化してるよ。

まあ普通に使えるからいいですが。

 

 

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容器の三分目から五分目くらいまで、

石鹸を入れます。

本当はこんなにドロドロではなく、

新しいのはジャムみたいにぷりぷりしています。

 

 

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お湯を沸かして、瓶に入れ

蓋をしてから良く振って

石鹸が溶けるまで混ぜます。

 

これを石膏に塗ると水をはじくようになります。

一度作っておけばずっと使えます。

 

 

続く。

反対面の型をとるよ・・・制作記・九十三

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最近あまり時間時間がなく、

更新に手間取ってます。

ご迷惑おかけして本当に申し訳ないです…。

 

型が取れたら、ひっくり返し、

粘土を取り去ります。

重いので落さないように気をつけましょう。

 

分割面表面の凹凸をステンレス板などを使い

ならしておきます。

私はステーキ用のナイフを加工して

使っております。

 

あまりつるっつるにする必要は無いです。

ざっとならしておきましょう。

 

 

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ズレ防止のために爪を掘ります。

良く見るのは丸い窪みを何か所かに

作る方法です。

 

半球状の凹凸だと作るのはお手軽ですが、

ずれやすいのと、型どうし擦れて

摩耗しやすいです。

 

確実性と耐久性を考えると、

四角いツメを掘っておいた方が

本格的です。

 

瀬戸の型屋さんをはじめ、プロは

大体こうしていると思います。

 

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掘る道具は鑿とかが使われますが、

私には篆刻刀が便利なのでこれを使ってます。

まあ掘れれば何でもいいです。

 

時間がないので今日はこの辺で。

いよいよ石膏を流しまーす。・・・制作記・九十二

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いよいよ石膏を流し込むのですが、

スラリー(溶いた石膏)をどのくらい

用意すれば良いのかというと・・・

 

型枠の内寸とほぼ同じ量なので、

深さ、長さ、幅を測って算出します。

 

今回の場合、深さが最深部は11センチあるのですが、

それで計算すると余りすぎてしまうので、

大体平均的な所を測ります。

まあこれだと9センチくらいですね。

 

 

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長さ・・・24センチ。

単位はセンチで測ります。

 

 

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幅は22です。

従って9×24×22=4752

となり、スラリーの所要量は

約4.7リットルくらいになります。

 

 ただ、水に石膏を投入すると

容積が四割くらい増えるので、

その分を差し引いた水を用意することになります。

 

増える量が四割なので、理屈では

容積の70%くらいの水を

用意すれば良いことになります。

 

ただスラリーは足りなくなるよりは、

多めに用意しておいた方が良いです。

そのため慣れないうちは、75%くらいで

計算しておいた方が無難だと思います。

 

従って深さ9 × 長さ24 × 幅22 ×0.75

=3564となり

約3500ccくらいの水に石膏を溶けば

少し余るくらいになります。

 

 

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容器に水を入れ、石膏を溶き、

型枠に流し込みます。

 

このときスラリーを原型に掛けるようにするか、

周囲に注ぐか、どちらがいいのか疑問に思う

かもしれませんが、どっちでも大差ありません。

適当に流し込めば良いです。

 

スラリーを流しこんだら、

土台の板を少し揺すったり、

振動を与えたりして、気泡をしっかり

浮かせてから、硬化を待ちます。

 

 

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石膏が固まったら板を外します。

無事に型が取れました。

続続続続・胸部の型取り・・・制作記九十一

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なんだか続が多くなってしまったな・・・。

明日からもっとまともなタイトルを考えよう。

 

板との間に隙間があるので、

石膏が漏れないように、

棒などを使ってならしておきます。

 

この段階では粘土が凹んでいても、

後で削れるので、端の部分は

しっかり撫でておきましょう。

 

 

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石膏を流し込む水位を決めます。

先ず原型にスコヤを当て、

高さを壁に記しておきます。

 

 

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型の厚みは四センチなので

さらに四センチ上に印を付けます。

この印以上には、石膏を

流し込んではいけません。

 

ここまでできたら原型本体に

離型材を施すのですが、

石膏取りをする際、対象の性質によって

離型材を使い分ける必要があります。

 

一、水を良くはじく物・・・ガラス、油土、蝋、ゴムなど

⇒離型材不要

 

二、吸水性は無いけど、水に濡れる物・・・プラスチック、金属、摺りガラスなど

⇒シリコンワックス、ワセリンなど油性の離型材を使う。

 

三、吸水性のある物・・・石膏、木、石、素焼生地など

⇒ワックス、もしくはカリ石鹸。

 

私の場合はサフで原型の表面処理しているので、

二の吸水性は無いけど、水にぬれる物に

該当します。

 

サフはある程度水をはじくのですが、

確実性がないので防水処理をしておきます。

 

 

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使っているのはスプレータイプの

シリコンワックスです。

塗るのは面倒くさいので

これを薄く吹きかけてます。

 

わざわざ買わなくても床用か車用の

ワックスがあればそれを使っても良いです。

あるいは保湿用のワセリンも使えます。

 

いずれにしろムラなく、ごく薄く塗れば

しっかり水をはじきます。

 

 

つづく。

続続続・胸部の型取り・・・制作記九十

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鋳型作りの続きです。

 

石膏を流し込むために枠で囲います。

人によって少しづつやり方が違うのですが、

私の方法を紹介します。

 

まず適当な大きさの合板を四枚用意して、原型を囲います。

板には、事前にカリ石鹸を塗っておきましょう。 

そして組んだ板が外れないように、

紐を使って、ぐるぐるしばっておきます。

 

ビニール紐、洗濯ロープ、タコ糸など

何でもいいのであるものを使いましょう

結び目は角に来るようにすると、

結びやすいです。

 

石膏を流し込むと、かなりの水圧がかかるため

しっかり巻いておきます。

このくらいの大きさなら、

五~六回くらい巻いておけば大丈夫です。

 

 

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紐を巻いただけでは押さえる力が足りないため

端材を使って、紐にテンションをかけつつ、

しっかり押さえつけます。

 

 

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さらに隙間から石膏や水分が漏れないように

粘土でしっかり目止めしておきます。

 

鋳型作りは大変ですが、一つ一つ

丁寧におこないましょう。

的確な鋳型が出来てしまえば、

もうお人形は出来上がったも同然です。

 

・・・本体に関しては。

 

 

続く。

続続・胸部の型取り・・・制作記八十九

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概ね原型を埋めることができたら、

寄せ型を一旦取り外し、

水に浸け、吸水させます。

 

こうするのは、型を取ってから

だいぶ時間が経ち、乾燥しているため

流した石膏の水分が奪われる危惧があるためです。

 

それを防ぐため、私は念を入れて

やっておりますが、必ずしも

やる必要はありません。

別にいいや、と思う方は省略してもいいです。

 

 

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寄せ型がずれていないか確認し、

しっかり手で押さえながら粘土で固定します。

ここでずれると、後でやり直す羽目になるので

入念におこないます。

 

 

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埋まったら、カリ石鹸で防水処理をおこないます。

すでに石鹸は施してあるのですが、

時間がたつと効きが悪くなるので、

型取り直前にも塗っておいた方が良いでしょう。

 

それと型の内側(原型に接触している部分)には

絶対に石鹸を塗ってはいけません。

泥漿が着肉しなくなります。

当たり前のことですが、念のため。

 

 

・・・つづく。

続・胸部の型取り・・・制作記八十八

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更新が途絶え気味で、すみません。

型取り作業は、ぼちぼち進んでいるのですが

毎日記事を書いている余裕がなく

ご迷惑をおかけしております。

 

さて、原型を埋める際、私のやり方では

最初は全体を埋めずに、寄せ型周辺は

後で外せるように、ひとまず残しておきます。

 

 

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四方の縁部分は、後で組む板枠が

直角に組めるように、

スコヤと適当な板を使って

粘土を付けていくと良いでしょう。

 

 

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鋳込み口も作ります。

 

このときの注意点としては、

口の開いた形状の花瓶や鉢などを

作る場合と違い、球体関節人形の場合は

鋳込み口が細く狭いということです。

 

 

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鋳込み口が細い場合

図の左側のように、本体との境目が鋭角であるほど

乾燥によって、亀裂が入る危惧があります。

 

鋳込み口を上に向かってすぼませれば、

その点では問題ないのですが、

この場合だと、それでは口が狭くなりすぎ、

排泥の際、詰まりやすくなります。

 

ではどうするかというと、右側のように

途中でくびれを作って、そこに

亀裂を逃がすようにしておくのが、

丁寧な作り方です。

 

 

・・・続く。